- 固定資産とは?
- 減価償却ってなに?
- 仕訳がわからない
これらの悩み等を解決する為、本記事では1から解説しています。
Contents
固定資産とは
固定資産とは「1年以上の長期にわたって現金化・費用化される資産」の事です。
また、よく聞く言葉の中に「有形固定資産」と「無形固定資産」がありますので
これらもあわせて順番にご説明します。
有形固定資産とは?
有形固定資産とは「建物、土地、備品、車両運搬具など企業が活動する為に必要な資産」の事です。
財務諸表では「資産」に分類され、毎決算期に減価償却が行われます。
「毎決算期に減価償却が行われる」という事を覚えておきましょう。
いつのタイミングで計上が行われるのかは簿記を行う上で大事な事です。
無形固定資産とは?
無形固定資産とは「ソフトウェア、特許権、営業権、など企業が活動する為に必要な資産」の事です。
こちらも財務諸表では資産に分類され、毎決算期に減価償却が行われます。
memo
減価償却には「減価償却資産」と「非減価償却資産」がありますが
こちらは入門編での説明は省きます、今はそんなのがあるんだ位で大丈夫です。
固定資産の仕訳
まずは、購入のケースからご説明します。
【取引例】
備品を1万円で購入して代金は現金で支払った。
仕訳は下記のようになります。
借方 | 貸方 |
備品10,000 | 現金10,000 |
備品購入費は資産、備品も資産に入る為、資産が10,000円増減する事になります。
とてもシンプルなので前回の記事に記載したチートアイテム等を使えばとても簡単だと思います。
次に、売却のケースをご説明します。
【取引例】
20万円のPCを10万円で売却した。(現金)
仕訳は下記のようになります。
借方 | 貸方 |
現金100,000 | 器具備品200,000 |
固定資産売却損100,000 |
現金(資産)が100,000増え、器具備品(資産)200,000減った
固定資産売却損(費用)100,000増えた
という考え方になります。
20万円のPCを10万円で売ったので10万円損したことになります。
これを「固定資産売却損」という勘定科目で記します。
売却の時は固定資産売却損が付くだけなので、こちらもイメージしやすいと思います。
固定資産の価値(減価償却)
建物や機械の様な有形固定資産は、長期にわたる使用により価値が減少します。
例えば、4年前に買ったPCが今と同じ価値では無いように、使い始めてから資産価値はどんどん下がります。
これを「減価償却」といい、減価償却費は資産の減少を決算時毎に取得原価の一部を費用として計上します。
また、減価償却は勘定科目の一種で「費用」にあたります。
減価償却の用語
減価償却をご説明するうえで、頻繁に出てくる用語をリストにしてみました。
今は完全に覚える必要はないので忘れた時に使ってください。
減価償却費 | 減価償却の金額 |
取得原価 | 購入価格 |
耐用年数 | 使用できる期間 |
残存価額 | 耐用年数が過ぎた後に残る資産価値 |
減価償却累計額 | 今まで減価償却した合計額 |
事業供用日 | 購入したものを使い始めた日 ※この日から減価償却が始まる |
定額法と定率法
先ほど「4年前に買ったPCが今と同じ価値では無いように、使い始めてから資産価値はどんどん下がります。」とご説明しましたが
毎年いくら価値がさがるのか?という疑問が出ると思います。
これは法律で定められており、「定額法・定率法」という計算式で算出します。
また、「耐用年数」も関わってくるので順にご説明します。
耐用年数
耐用年数とは「使用開始日から効用喪失日までの期間」の事です。
例えばサーバー用PCの耐用年数は5年、それ以外のPCは4年と定められており、
国税庁のHPで情報が開示されているので、耐用年数が不明な場合は調べてみましょう。
定額法
定額法とは、「毎期均等額の減価償却費を計上する方法」です。
定額法の例
「PCを1000万円分購入した。」
取得原価:1000万
耐用年数:4年
残存価値:10%
計算式はこのようになります。
(取得原価 - 残存価値) / 耐用年数 = 毎年の原価償却費
では実際に例を使用して数字を当てはめてみます
( 1000 - 1,000 * 10% ) / 4 = 225
つまり、「毎年225万を減価償却費として決算の時に計上する」という事になります。
定率法
定率法とは、「毎期一定割合の減価償却費を計上する方法」です。
定率法の例
「PCを1000万円分購入した。」
取得原価:1000万
耐用年数:4年
残存価値:10%
定率法償却率:0.5
計算式はこのようになります。(小数点繰り上げ)
1年目 1000*0.5=500 1年後の簿価は1000-500=500
2年目 500*0.5=250 2年後の簿価は500-250=250
3年目 250*0.5=125 3年後の簿価は250-125=125
4年目 125-1000*10%=25(※最後の年は残存価値を引く)
つまり、「毎年変動する簿価を減価償却費として決算の時に計上する」という事になります。
定率法は少しややこしいですが、イメージを掴んで頂ければ幸いです。
まとめ
- 固定資産とは1年以上の長期にわたって現金化・費用化される資産の事で、毎決算期に減価償却が行われる。
- 減価償却費は定額法と定率法のどちらかを使用して算出する。
計算式に関してはExcelで雛形を作成しておけば簡単に算出できますので、
テンプレート化させてしまえば数字を入力するだけなので便利ですね。
原則さえわかってしまえば後は応用なので、この記事が少しでも参考になれば幸いです。